2010年11月29日

ZigBee開発

第1回・電波実験の日時が決定しました!

福岡大学によるPBLの開発も順調に進んでいるようで、本家AliveCasstの開発も負けていられません。ということで、12月上旬に最初の電波実験を行うことが決定しました。今回実験では電波の揺れをどこまで吸収できているか、計測データを回収して分析することが第1目的です。理論上ではかなりの改善が見られるとのことですが、こればかりは計測してみないとはっきりとしたことは言えません。何といっても相手は変幻自在の電波ですからね。

さて、ZigBeeを使った位置検知システムを開発中ということでこのブログも書かれているわけですが、そもそも何でZigBeeなの?という話をしたいと思います。

以前にこのブログでご紹介したとおり、ZigBee自体は来るべきユビキタス社会に向けてセンサネットワークを如何に簡単に構築するかという目的で開発されているデバイスになるわけで位置検知に関してはまったく考慮されておりません・・・というか、そのネットワークの構成上、どちらかといえば位置検知に向いていないデバイスといっても良いでしょう。ということで電波を使った位置検知に向けのZigBeeの親戚にあたるデバイス規格というものも策定されているのです。

では何故ZigBeeなの???と、ハテナ印も増えると思われますが、ZigBeeの親せき筋にあたる位置検知用といって良いデバイス規格は広域周波数帯を使うため、日本での認可がまだ下りていないことが挙げられます。広域周波数帯を使うため、他の無線機器への影響が出る可能性があるためでして、認可の程度によってはどこでも使えるデバイスとなるかどうかは現在不明の状態です。位置検知誤差は数センチ程度ということですが、工場などの機械制御などに特化した環境への認可しか下りないかもしれません。

これまでも無線LANやICタグ、可視光線を利用したものなどが位置検知システムとしての技術を確立して使われていますが、無線LANやICタグの利用では電波を受信する機器への電源供給、これらの機器をつなぐためのネットワークが別途必要になり既存の施設に導入するにはかなりの工事が必要となり、日数と金額がかかってしまうのです。つまりこれまで位置検知というシステムはあったけど導入コストを考えるとう〜むという問題が位置検知システムにはありました。ちなみに、そういったインフラが必要になるということは実証実験段階で、かなり大がかりの設備投資が必要ということでもあります。

そこでZigBeeです。ZigBeeはそれ自体がネットワーク機器ですし、電源も乾電池・充電池で十分に対応できますし、電波出力を押さえれば太陽電池の利用もできそうです。そうなれば既存のどんな施設にも簡単に設置できます。実現すれば、設置工事たったの一日であらゆる施設への導入も可能です。これってすごいことですね!

というわけで、あとは精度の問題をクリアできればOKというZigBeeによる位置検知システム。12月上旬にどんな実験結果が出るのかを楽しみにしながら今日も開発は進んでいるのです。