WEB担当者向け

WEB担当者に求められる3つの役割と3つのスキル

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はじめに

皆さんの会社には「WEB担当者」はいらっしゃいますか?大企業であれば、たいてい広報専門の部局があると思いますが、中小企業ですと、総務や営業の担当者が兼任していることも多いでしょう。あるいは、経営者自らWEBを担当している会社もあるかも知れません。

ひとくちで「WEB担当者」と言っても、業務内容は会社によって違うかも知れません。WEBに掲載する文章は広報や営業の人が準備して、WEB担当者は更新したりサイトのメンテナンスをしたりするだけ、という場合もあるでしょう。

あるいは、WEBサイトリニューアルの企画実行から、日頃どのようなコンテンツを掲載すべきか考え、更新まで一手に引き受けている、という方もおられると思います。

全面的に任されてはいるけど、「どういうふうに運営したら良いかわからない」と日々頭を悩ませているWEB担当者も多々おられます。今日は、ほんらいWEB担当者に求められるべき役割とスキルは何なのかを、専門家の立場から整理してみます。

(1)会社の「顔」をプロデュースする役割

WEBサイトは今や何と言っても会社の「顔」です。初対面の人と名刺交換したら会社のサイトをチェックするという方も多いと思います。例えば、公共事業に新たに入札してきた施工会社のサイトを役所の人がチェックする、という話も聞いたことがあります。

恐らく、実際に会社の事務所や工場が入っているビルを見られることよりも、WEBサイトを見られることの方が多いのではないでしょうか。WEBサイトが存在しない会社は、実在が疑わしいと見られても仕方ありません。あるいは、WEBサイトの印象がそのまま会社の印象になってしまうと言っても過言ではありません。

WEBサイトは、高価な会社パンフレットよりも、豪華な受付ロビーよりも、重要度が増しているのです。WEB担当者の役割は、そんな重要な会社の「顔」をプロデュースすることです。

いまだに「サイトを作れる従業員を雇えば、全部内製できる」という感覚の経営者も地方にはおられますが、それは間違いです。これからのWEB担当者に求められるべき役割は、WEBデザインなどのようなクリエイティブではなく、戦略的に専門家を活用できるプロデューサーとしての役割なのです。

念のために付け加えると、IT企業でもないのに、WEBデザインができるクリエーターを雇うことは無駄です。自社でガンガン発信するメディアがあって、そこにクリエイティブが必要なら別ですが、WEBのスキルというのは日々進歩し変化しますので、外部の専門家に委託した方が費用対効果は良いでしょう。

(2)素早く正確に情報発信する役割

本稿ではWEB担当者を、デザイナーやシステムエンジニアではなく、企業広報のカテゴリーに位置付けたいと思います。前段で触れたように、IT企業でない限り、デザイナーやシステムエンジニアは外部に委託した方が効率的だからです。

現在、企業広報においてWEBは極めて重要です。企業広報の重要な役割の一つに報道対応がありますが、良いニュースでも悪いニュースでも、社名がひとたび報道に出れば、その会社の公式サイトのアクセス数は激増します。

最近の例ですと、高速バスに向かって正面から乗用車が飛んでくるという大事故がありました。そのバス会社は事故から30分後にはドライブレコーダーの映像をメディアに公開し、13時間後に詳細なプレスリリースを発表したことで、その迅速な対応が高く評価されました。

WEBというのは瞬時に情報伝達できる非常に便利なツールです。しかし、そのツールを使うのはあくまで人間であり、ここでいうWEB担当者となります。もちろん、1人のWEB担当者が24時間スタンバイし、あらゆる問題に自力で対応するのは不可能でしょう。

例えばあなたの企業が一般消費者に対し24時間サービスを提供している会社であれば、複数人が交替で即応できるシフト制を組んでおく必要があるでしょうし、様々なトラブルが起こった際のことを想定した綿密なマニュアルを整備しておく必要もあります。

とにかく、WEBはスピードが勝負です。「詳細がわかってから対応しよう」では手遅れになる可能性があります。

(3)自社の「強み」を伝える役割

この役割は広報の要素もありますが、大事なのはマーケティングの原理を理解しておくことです。マーケティングというと「市場調査」などを連想される方も多いと思います。実際には企業の「販売戦略」などといった広い意味があります。

もっとわかりやすく言うと、自社のお客様が誰で、そのお客様とどう関係性を作っていくのかを明確にし、それを実行していく活動がマーケティングです。

マーケティング戦略は経営戦略の重要な柱であり、その下位に広報や営業活動があります。WEBサイトは広報の役割だけでなく、営業の役割も果たしてくれます。つまりお客様を自社に呼んできてくれるのです。業種によっては、人間の営業スタッフよりも遥かに多く稼いでくれます。

つまりWEB担当者は、広報のことだけではなく、マーケティング戦略についても理解しておく必要があるのです。と言っても、難しく考える必要はありません。自社のお客様が誰で、そのお客様が自社を選んでいる理由を知っていればよいのです。

お客様が自社を選んでいる理由、それが自社の「強み」です。実は、自社の強みというのは経営者や営業担当者でも誤解していることが多いです。誤解したままWEBサイトを作ってしまうと、せっかく作っても成果がでません。

WEB担当者として情報発信する際、あるいは自社サイトのリニューアルを行う際は、いきなり着手するのではなく、自社の真の強みが何なのかを調査してみてください。調査方法としては、自社のロイヤルカスタマーに直接聞くのが良いでしょう。

何故、自社の商品(サービス)を選んだのか、選んでみてどうだったか、勇気を出して聞いてみてください。

(4)写真を撮るスキル

WEBで記事を更新する際、文字だけで発信するよりも1点でも写真が添付されている方が伝わりやすいと言えます。WEBサイトリニューアルに際しても、過去に撮りためた写真があるかないかで、良いサイトになるか分かれます。(新たに撮っても良いですが、時間とコストがかかりますよね)

会社関連のイベントがあるときは勿論、ちょっとした出来事でもマメに写真を撮る習慣を身につけましょう。

「自分は写真を撮るのは得意ではない」という方でも、ちょっとしたコツを押さえれば大丈夫です。印刷するわけではないので、一眼レフカメラなどの高機能カメラである必要もありません。スマホのカメラで充分です。(ガラケーは解像度が低すぎることが多いので避けましょう)

写真を撮る際に気をつけていただきたいのは、光源です。部屋の中であれば、外の明かりが差し込む窓側から内側にカメラを向けるようにしてください。その際、自分の影が映りこまないように注意してください。

また、同じ構図の写真を必ず2枚以上撮るようにしてください。ブレたり、被写体の人物が目を瞑ったりしていることが多いので、複数枚取っておいたほうが安全です。スマホで撮るときはつい立て向きに撮りがちですが、必ずフレームを横向きにして撮るようにして下さい。その方が使い勝手が良いです。

(5)文章を書くスキル

これも苦手意識を持っている方が多いですよね。でも安心して下さい。WEB担当者に求められる文章スキルは、小説家とは違います。「創造的」「高度で難解」である必要はないのです。むしろ、小説家のような文章スキルは邪魔です。

どちらかと言うと、新聞記者に求められる文章スキルに近いといえます。それは、 「5W1H」を漏れなく記載するということです。

When(いつ) Where(どこで) Who(誰が) What(何を) Why(なぜ)How(どのように)

何か文章を書くときに、上記の「5W1H」のどれかが漏れていると、充分に伝わらない可能性があります。更新前に必ずチェックしてみてください。

「てにをは」(助詞)の使い方に自信がない方もおられると思います。そういう方は、文章を書いた後に、自分で声に出して読んでみると良いでしょう。その時に違和感を覚えた箇所を修正すれば大丈夫です。

広報における文章は何より「わかりやすいこと」が重要です。高度で難解な文章はかえって広報の効果を損ないます。とくに注意していただきたいのは業界内特有、あるいは社内特有の専門用語です。専門用語の使用は避け、どうしても必要な場合は解説を添えるようにしましょう。

(6)積極的に情報収集するスキル

最近の若い人はテレビを見ないそうです。職場で「昨日のドラマ観た?」と話題を振っても、なかなか盛り上がりません。映像コンテンツはインターネットで充分楽しめるようになったためです。

テレビは見なくても良いのですが、ニュースはまめにチェックするようにして下さい。出勤途中にニュースアプリを開くだけでも良いですし、Googleのサービス※で特定のキーワードを含むニュースをメールで教えてくれるものもあります。自社名や自社業界に関するキーワードを登録すると良いでしょう。

※Googleアラート https://www.google.co.jp/alerts

ニュースアプリでも、自社に関連する業界のニュースを優先的に表示してくれるサービスがあります。自社が情報発信する際に、世の中の動きがどうなっているかを知っているのと知らないのとでは、全く内容が違ってくる筈です。

情報収集はニュースだけではありません。直接人に会って、人から得る情報もあります。まったく同じ内容の情報でも、本やネットで文字情報として吸収するのと、人から説明されるのとでは受け取り方が変わります。伝える人の信頼度によって説得力が大きく変動するからです。

人に会って得られる情報で最大のものは、人に関する情報です。どこに、どのような能力を持った人がいるのか、その人がどのようなキャラクターなのかがわかります。

いまは人材不足の時代です。多くの仕事は、1社だけでは完結しません。どのような事業にしても、いかに社外に人的ネットワークを持っているかで成果が変わってきます。積極的に外に出て、良質な人脈を構築するようにしましょう。WEB担当者だて引き籠っていてはいけません。

まとめ

この文章を読まれた現職の「WEB担当者」の中には、「自分がやっている仕事と全然違うよ!」と思われた方もおられるかも知れません。しかし実際、いまWEB担当者に求められている役割とスキルはこのように変化してきているのです。

もしこのような役割を果たしていない、スキルが無いということでしたら、自分からスキルを身につけ、役割を果たすようにしてみて下さい。仕事は、経営者や上司が与えてくれるものではありません。この情報化社会では、経営者や上司よりも、担当者の方が多くの情報を持っていてもおかしくないからです。